阿部耕也の紅茶日記
夢のような通信手段
今はインドとの連絡もメールで簡単にしかもタイムリーにやり取り出来るようになりました。今をさかのぼること二十数年前の労力と時間を考えたら夢のような話です。 まずオークションに出品されるサンプルティーは国際郵便小包で送られてきました。オークションの3日前か前々日にやっと届いて、時には日曜日で配達がない時は中央郵便局まで直接取りに行ったりした事もありました。すぐティスティングして、競りの連絡をするのは電報か電話。FAXはまだありません。電報もこちらから出して相手に届くまで2日も掛かりオークションにぎりぎり間に合うという綱渡り的な、何ともはらはらさせられる手段でした。電話は上手くすれば数回のコールでつながることもありましたが、大概は申し込んでから半日くらいは待たされました。当時はケーブル電話でしたので、時間差で相手の声が聞こえるし、雑音や割り込みが入ったりして、何度聞き返しても聞き取れなかったりして苦労の連続でした。そんな時代が長く続き、今度はFAXが使えるようになり、その時は大いに感激したものです。それが今や携帯電話もインドと日本の距離を感じさせない程の便利さで繋がり、そしてメールの時代です。
新茶の紅茶の仕事を始めて20年以上たっているという事もある意味夢の様ですが、携帯電話から聞こえるカルカッタの街の喧噪が生で聞こえてくるのもまた夢を見ている心地です。