阿部耕也の紅茶日記
インドから 吹く風 11/29 by Ryoko

 最初にRlsheehat農園を訪問したその日はディワリープージャのための休暇が終わった直後でした。工場はまだ本格的に稼働しておらず今日から(11/1)やっと全部のラインが動き始めたところでした。私が到着した朝8時半にはもうすでに摘んだばかりの生葉が萎凋(いちょう)棚に広げられていました。ここで私は興味深い作業に出会いました。何と萎凋棚に葉を広げる前に手で丹念に生葉を選り分けているのです。他の紅茶園では茶を摘んだ籠からいちょう棚に直接お茶をあけていましたので、見たことがないこの光景に私はまず驚きました。この段階で傷んでしまった茶葉、茎、ゴミ、などを拾い上げて、更に、よりよい品質つまり均一な品質を作り出すために一芯二葉のやわらかい茶葉とそれ以外の茶葉をまたていねいに選り分けていたのです。私がこの驚きをマネージャーに伝えたところ『良い品質の紅茶を作るためにはまず生葉の状態から厳密に選別することが大切である。』その上に『生葉を傷めないようにデリケートにデリケートに扱う』ことなど(マネージャーいわく「赤ちゃんを扱うように優しく優しく」)プラッキングの課程から徹底的に指導しているとのこと。この段階で厳密に分けられた茶葉はパッキングされるまで絶対混ざり合うことがないよう厳重に管理されて作業が進められていくのです。


こうして作業が進められていくのを説明していただいているうちにまた他の農園とは違う作業が気に掛かりました。普通、いちょうにかけられて水分が半分以下になった茶葉を50分間ローリングマシンにかけて茶葉を撚り、その後発酵棚に並べて発酵を進めていきます。Rlsheehat農園ではこの作業を一気にローリングマシンにかけることをせずに二度に分けて行っておりました。こうすることで茶葉が傷まず、よりデリケートな香り、味、水色を保つことができるということです。二度ローリングマシンにかけるということは大変手間のかかることです。この作業を組み入れようとすると作業量が増えること、即ちそれは人件費が増えることであり簡単に真似の出来ることではありません。

Rlsheehat農園では自分達が品質の高い紅茶を作り出そうとしている、作り出しているという誇りと妥協を許さない高い意識を持っている空気が工場全体に流れていることが一瞬で読みとれ大変感激しました。
こうしてRlsheehat農園のトップに付きっきりで案内してもらっているうちに、長年私がどうしても納得出来なかった問題が一気に解決してしました。
 次回はそのことについてお話し致します。

(Ryoko記)