路上でちょっと優雅にティータイム

文:ガネッシュ編集部 /写真:SorAsha

インドの路上はどこもかしこもさまざまなモノで溢れかえっています。

まず出店(でみせ)。
こちらのコラムで何度か紹介しているさまざまなファストフードの出店を始め、インドの女性の手元にかかせないカラフルな腕輪を売る出店、果物店、野菜店、お菓子店、子供用のおもちゃを売る出店等々が、歩道そして道路の一部を埋め尽くします。

路上には車やバイクやリキシャも停め放題状態で、まるで隙間を埋めるゲームでもやっているかのようです。

 

先日、取材のためにデリーのある街を歩きながらフルーツの出店をのぞいていると、急にまわりがざわざわと騒がしくなり各出店がものすごい早さで片付けを始めました。

その様子は滑稽なほどにバタバタで、ある者はリンゴの入った箱を運び(そして箱の底が抜けて路上いっぱいにリンゴが散らばり)、ある者たちは金切り声のおばさんの号令に合わせて3メートル四方ほどの大きな屋台の骨組みをエイやと持ち上げて移動し(歩調が合っていないためたった5メートルほどの移動で3回も屋台が路上に打ち付けられ)、ある者はヒンディー語で「はやくしろー!!」と叫び……。
ふと小学校の借り物競走を思い出してしまいました。

さて、写真のおじさま4名は、そのバタバタを横目に優雅にチャイをすすっていらした方々。
よくみるとチャイの入っているカップは金彩の施された優雅な陶器、いわゆるティーカップです。
聞いてみれば、お茶をしている路上に面したビルのオーナーの方々でした。

騒動は、出店を取り締まる地区の警備員がきたためだろう、と。
出店は違法の(路上での営業許可をとっていない)ものが多く、時々取締りが入るようです。道路の一端で取り締まりが始まると、隣から隣へ口伝いで一気に情報が回ります。
そのため、この地区のどこかで取締りが始まった「ようだ」けれども、誰もどこで始まったかいつここに来るのかは知らない、とのこと。

普段以上に土ぼこりが舞うその騒動をものともせず、ビルの中ではなくなぜか路上でお茶を続けるのがいかにもインド人だなぁ、と感じた一幕でした。