阿部耕也の紅茶日記
岡山レポート No.3

Sent: Wednesday, May 08, 2002 3:46 PM
Subject: Re: スケジュールの件

阿部耕也紅茶研究所 阿部耕也 様

5月9,10日と仙台にお伺いできたことをとても幸せに感じております。この気持ちをハガキに書き始めておりましたが、今の状況をお知らせしたくて、メールにしました。

12日の朝に岡山に到着して、仙台で感じたこと、自分の夢のことを、家族に伝えた方が良いと思い、その日の夜に母と話をしました。
紅茶のお店をしたいことを自分のなりの言葉で思っていることを話してみました。
そのことに対して、普通の結婚(生活)をしてほしい、経験が無い、後1年で60歳楽をさせて欲しい、紅茶は趣味で楽しんで欲しいと言われました。私自身の性格で、母は、「どうせ言っても、あんたは勝手に何でもする」と。母の立場で考えてみれば、当然の答えであるし、去年、前の仕事を辞める時に少しだけ紅茶のお店をしたいと伝えた時と大体同じ返答だったので、予想できた結果でもあります。
私が仙台へ紅茶の勉強をしに行きたいと言った時に、母は内心、私が店の事を考えているんだなと思ったようです。
話し合いは、資金の面も出てきました。
私自身の蓄えがあまりないので、借り入れになると思うので、名義を貸して欲しいことも伝えました。
そのことに関しては、ドブに捨てたと思わないと・・・、と言われました。仙台に行って、今までバラバラだった気持ちに色分けが出来るようになったので、やっと勇気を出して気持ちを伝える事が出来ましたが、まだ、自分の思いをすべて伝えることが出来ていないように思います。
今回納得の行く話し合いとはなりませんでしたが、私は自分の夢をかなえたい気持ちには変わりがありません。
母は、結婚してからでも遅くはないとも言いましたが、自分の性格上、中途半端な形ではお店は出来ないのではないかと思っています。
一つ目の大きな壁が迫ってきて、飛んでみようか、右に行こうか、左に行こうか考えています。
このような状況で、阿部社長はいかがお考えになられますか?
先日、短い時間の中での自分の思いが伝えられなくて、お答え頂くのは難しいと思いますが、なにか感じられることがありましたらお教えください。
宜しくお願い致します。

倉敷市 N

 

 

2002年5月15日
件名 Re:1つ目の壁

N様

『その後、どうなさってるかなあ?』と思っていたところにメールが届きました。
整理が出来てご自身の事が分かって来たのと、スペースが出来たことで、その中に悩みを入れることをためらわなくなったものと思われます。
仙台から帰られる前にある程度予想された事ではありました。
今後、ご両親からの協力を得られるようにコミュニケーションを取ること、
そして、『一日も早く夢を形にする』ことに全力を傾けて下さい。
『全力を傾ける!』その気持と実行力が無いとこのまま『青春最後の夢』
で終わってしまうでしょう。

やさしい気持と期待を込めて厳しく表現させてもらいました。
また近況を知らせて下さい。

阿部耕也紅茶研究所 阿部耕也

 

「紅茶が好きだから、紅茶の店を開きたい」この2つが簡単に結び付かないことが、これを見ていらっしゃる殆どの方が感じていらっしゃることでしょう。その理由を尋ねますと大体は「資金がないから」という答えが返ってきます。私はこれが一番の理由とは思いません。『資金』つまりお金は持っていてもやりたいことがないという方も多くいます。お金をどんな物や空間、時間に変えるかこそは当事者のエネルギーと思考の現れです。ここはまず資金の事は考えずに「何故紅茶の店を持ちたいのか?」をじっくりと自分自身に問いかけて充分な納得をご自身がされることが大切と思います。それを経ないと、先々に迷いが出た時に充分のあった資金も物か経費に消えて後戻りできない危険な状態になってしまうでしょう。