阿部耕也の紅茶日記
カルカッタ・スタッフからのレポート

  カルカッタで紅茶の勉強しているスタッフがダージリンに行った時のレポートです。

 6月7日の朝、はじめに先日製造されたお茶の葉のテイスティングをした。このお茶は選別されておらず、まだ熟成していなかった。このようなお茶はGHANIと呼ばれていた。このお茶の葉は新鮮で柔らかに香り、加えて甘さも感じられた。
私はchina bush teaのカップに注目した。このお茶は他の種類のお茶の葉に比べてさらによい香りがしたのだ。最初の一口はとても軽く、でも二口三口と飲むにつれてオリジナルで自然な風味を感じ、香りが長い間口の中に残っていた。
CLONALをテイスティングしたときと比較してみると、CLONALは初めはとても甘い香りがしたのだが、その香りはCHINA bush teaのように長くは残らなかった。CHINA bushもCLONALも、どちらも同じダージリンの銘柄なのに、その違いはとてもはっきりわかった。私にはASSAMICAの特色はわからなかったが、ASSAMICAの製造の様子を見るとCHINAのそれと、色が同じでサイズはずっと良かった。茶農園のマネージャーは私に、あまり外見にとらわれてはいけないよ、とアドバイスしてくれた。
HYBRIDについてはよくわからなかった。HYBRIDの葉はもうテイスティングされ、reguiremetesに従って分類・ブレンドされることになっていた。
 次の日、スタッフが同じお茶をテイスティングした。私は乾燥過程に続いて、ローリング過程を見学した。ローリング過程には香りを引き出すほかにお茶の葉の細胞を壊す意味もある。そのとき、圧力をかけすぎないように細心の注意が払われる。これが約50分間続く。この間一番気を付けるのは葉が熱くなり過ぎないようにすることだ。熱くなり過ぎると葉が黒くなってしまう。
次は、約1時間半から2時間の発酵過程に入る。この発酵は化学成分の追加、という意味だけでなく、葉を広げて外の空気に触れさせ、なんともいえないエキゾチックな香りを引き出す意味もある。湿度や温度に注意が必要だ。
手のひらに発酵させたばかりのお茶の葉を取って匂いを嗅いでみると、とてもよい香りが広がった。
発酵に続いて乾燥過程に入る。乾燥過程では、葉を機械の中で250度の熱い風に約22分間さらし、確実に乾燥させる。乾燥機の中から新たに出てきた葉を手に取り、匂いをかいでみた。すると、砂糖というか、キャラメル砂糖に近い、甘い香りがした。(by Yuki)