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   阿部耕也の紅茶日記




「Tea Room 森のらくだ」便り その1

Tea Room 森のらくだ 新茶の紅茶 との出会い

 「新茶の紅茶」を飲むことがなければ、Tea Roomをオープンすることは無かったかもしれない。私にとってはそんな出会いでありました。そしてその出会いは2年前の2008年3月の仙台旅行によってもたらされました。旅行の内の1日をガイドブック片手に喫茶店めぐりをする日と決めた私は、朝から仙台市内をてくてくと歩いていました。とても寒い日だったことを覚えています。確か、3件目だったように思いますが、ガネッシュティールーム定禅寺店の方へと辿り着きました。

予備知識は「ナシ」、“紅茶専門店”くらいでしょうか。エレベーターが開くと、そこは既にお店の中。このパターンは実は苦手。ピンとこなかった時に引き返すことが難しいから。

 「ううむ、どうしよう……」

しかし、そんな時入り口近くに置いてある資料や紅茶の缶が目に入りました。「新茶の紅茶」そして手書きで書かれた資料。何かただならぬ「気」を発していたのです。(読まれたことの有る方にはよくお分かりになるかと思います)

よし!と席につき、メニューや冊子をじっくりと読んでいきました。

「へぇ、ダージリンとアッサムだけなんや」

「へぇ、オークションって紅茶でもあるんやな」

「へぇ、ブレンドしないで売るもんなんか」

何も知らない私の頭に色んなことが飛び込んできます。

 「何か当たりっぽい」

ワクワク……。冊子を更に読みふけっていると注文していたダージリンが届きました。淡いオレンジ色をしたその液体を一口飲むと

 「!!!!!!」

鼻に抜ける豊かな香りが飲み込んだあとにもしっかりと口の中に残ります。淡い色からは想像もできなかった「すっきり、しっかり、りりしい」味でした。そして苦味という物が全くありませんでした。この「苦味がない」ということが私にとっては永年の悩みを解決するとても大きなことだったのです。

 私は紅茶は好きなのですが、紅茶の持つ苦味が昔から苦手で、特に外で飲む紅茶に時々ある強い苦味がだめでした。ポットサービスを注文すると2杯目が苦くて飲めないこともよくありました。お湯を添えてくれることもあるのですが、苦いものは薄めてもやっぱり苦い。そして残す。私は自分の味覚がお子様だから紅茶の苦味を楽しむ舌の感覚がないんだと勝手に結論付けていました。それならば!とロイヤルミルクティーを楽しんでみれば苦味はミルクのおかげで消えるものの、今度はミルクの味が強すぎて紅茶の味があまり感じられないというジレンマ。外でお気に入りの紅茶に出会うのは難しいなあ、と常々思っていました。そして徐々に紅茶を注文することは少なくなっていきました。そんな中、ガネッシュは久しぶりに入ろうと思ったTea Roomで、そしてそこで「苦くない紅茶」と出会うことができたのです。苦くなくて、しっかりと味も香りもあるおいしい紅茶と、です。

ダージリンを飲み干すと、冊子を再び読み進めました。すると

「苦いのは古いから。新鮮な紅茶は苦くない」

ということが分かったのです。まさに目からウロコが落ちる思いでした。これはミルクティーも頼まないわけにはいかない!とおかわりはアッサムのミルクティーを注文し、またもや

「!!!!!!」

紅茶の味がしっかり。ミルクに負けず、かつしっかりと調和しています。思わず顔がほころびました。心の中で

 「みつけた〜、みつけた〜、仙台でおいしい紅茶みつけた〜♪」

と意味不明のメロディーを唱和する程でした。

 思えば、おいしい紅茶を見つけるためにインターネットや雑誌を有効活用してもっと早くガネッシュと出会うことは可能だったと思います。でも、私は今回そういったことはなく、旅先でガネッシュと出会いました。それをとても嬉しい出会いとして自分の中でとらえています。「縁」があったのだ、という想いが今のも心の中に広がります。

 話は少し紅茶から離れます。私は「ケーキ屋さんになりたい」というのが小さい頃に抱いていた夢でした。一度は会社勤めをしたのですが、製菓学校に入り直してケーキ屋さんで働き始めました。働いていると当然「独立」ということを考えます。私もイメージしてみました。しかし、どうもうまくいかないのです。何故だろう?と考えてみました。どうも私の中でケーキ屋さんとしてのイメージの中にある「人を雇う」ことや「ショーケースの中に色とりどりのケーキが山のようにならぶ」ことになじめないということがわかりました。では、どういうイメージならいいのか?と自分に再度聞いてみたところ、私はどうやら「1人で」「自分が作りたいケーキだけを」「数を絞って」作りたいと思っているのでした。しかし、それはなかなか難しい。何かやり方はあるのか?その時に

「自分が作ったケーキを出す喫茶店はできるだろうか?」

という想いが浮かびました。ガネッシュを訪れる何年も前のことです。しかし、具体的にはどんな喫茶店なのか?どこに開きたいのか?自分にやっていけるのか?そこは見えてきません。逆に「独立しない」「職人として働き続ける」という選択肢もありました。職人として働く仕事が嫌なわけでは決してなかったので、漠然とした想いは浮かびつつも答えの出ない日々が何年も続きました。そんな気持ちを持つ一方で、紅茶を味わう側、つまりお客さんとしての

「なかなかお気に入りの紅茶に出会わないなあ」

という想い、そういう色々な想いをバラバラに持ちながら、ある日、旅先の仙台でガネッシュの新茶の紅茶と出会ったのでした。でも、その時のバラバラのパズルのピースはもぞもぞと近づきつつも、パチリとはまるにはもう少し時間が必要でした。

 そして2008年10月、私は再び仙台にやってきました。蔵王の紅葉が見たくてやってきた旅でしたが、ガネッシュを再び訪れることも楽しみにしていました。定禅寺通店の席へ再び座ると、ある資料が目に留まりました。「紅茶講座の案内」どうやら終日オーダーメイドの紅茶のレッスンが受けられるらしい。希望すればマンツーマンも可能らしい。再び感じるただならぬ「気」。紅茶の説明にくらべればどちらかというとひっそりと記されている文章なのに、そこから感じるただならぬ「気」としか言いようのないもの。その日は気を感じつつもティータイムは終了したのですが、旅行から帰ってからも、紅茶講座を思いだしては忘れ、忘れては思い出し……、と繰り返し繰り返し頭の中をよぎりました。講座の対象者という欄を読んでいると、「教養として紅茶を極めたい方」と「将来紅茶のお店を開きたい方」という2つの項目が目に入ります。

「私はなんで紅茶講座を受けようとしているの?」

「何がそんなにひっかかっているの?」

頭の中に浮かぶことはケーキ職人としての仕事のこと、独立のこと、ガネッシュのおいしい紅茶の味、ただならぬパワーを持った新茶の紅茶の紹介文……。私は自分が考えている「喫茶店」のイメージを「紅茶のお店」におきかえたらどうなるのかを考えているのだとわかりました。「自分がおいしいと思う紅茶と自分が焼いたケーキをならべた小さなティールーム」というイメージ。これは「喫茶店」のイメージよりもずっとはっきりしている。

 「よし、とにかく電話をしてみよう!どうなるのかは分からないけどダメでもともと。あたってくだける!」

と。その時の私は見えつつあったイメージを必死にたぐりよせているような状態でした。

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